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北アルプス表銀座縦走
ゴールデンウィークの表銀座を、のんびり景色を見ながら縦走したかった。素晴らしい日の出や雷鳥など、この時期に限られる景色が楽しみである。

ちょっと寝坊したので明るい時間に中房温泉へやってきた。駐車場は空いてて中房温泉の売店も閉まったままだ。テントで生活している人達は、慌てて準備をしている人がいない。きっと今日は燕山荘までなんだろう。

ちっともペースが上がらず、各ベンチに到着するたびにグッタリしている。日曜日の笈ヶ岳か?それとも火曜日のハイキングの疲れが残っているのだろうか?良く分からんが、ヒーヒー言いながら、なんとか合戦小屋に到着した。ベンチで休んでいると突然鼻血が出てきた。


燕山荘に宿泊された方々と擦れ違いながらマイペースで登ってゆく。雪もだいぶ融けたようで燕山荘直下の冬道に雪は無い。燕山荘のホームページをチェックした時は、まだまだ冬だったような気もしたが、前々日に降った大雨の影響で、だいぶ雪も融けたらしい。

燕山荘に到着すると従業員の方々が外のテーブルで食事中で「お疲れさまでした」と挨拶してきた。テーブルに座っている登山者の話しによると、本日1番乗りで燕山荘に到着したらしい。山荘の中は真っ暗で、雪の重みに耐える為に太い柱が何本も追加してあった。


山荘で買ったコーラーを飲んで元気になったような気がしたので、本日の目的地である大天井岳へと歩きだした。しばらくすると難路の蛙岩に到着した。今回は蛙岩の冬期ルートは通過しなくても良さそうな感じで、ルートの整備をする為に燕山荘の従業員がスコップを持って現れた。


いつ見ても大天井岳の上りはきつそうだ。バテバテになりながら冬期ルートに取り付いた。頭上にイワツバメがビュンビュンと飛んでいる。空を自由に飛べるなんて、ちょっと羨ましい。


大天井岳に到着すると数名の登山者が大天荘付近で幕営の準備をしている。ここまで来れば、ゆっくり景色を見ながら昼寝をしてても心配ない。暖かそうな冬期小屋を利用するか、それともテントで寝ようか迷ったが、せっかくテントを担いできたので適当な場所を選んで水を作り始めた。


冬期小屋を覗いてみると、ちょっと暗いが快適そうだ。先客がいたので挨拶だけして外に出た。


夜中の23時頃にテントを抜け出し星空を見ながら写真撮影をする。ほぼ無風の山頂は、それほど寒さを感じず快適である。気温は0℃前後だと思うが、体が冬のままなので、すこぶる調子が良い。
翌朝、目覚ましを3時にセットして黙々と水を作る。小さいコッヘルしか持っていないので、水筒を満タンにして食事用の水を作るのに30分以上も掛かってしまった。

明け方からテントの周りで暴れていた雷鳥も、日の出と共にハイマツの中へ消えた。2匹の雷鳥が縄張りを争うような感じでバタバタやっていたが、バタバタするたびに冬毛が抜けてゆく。

大天井岳から蝶ヶ岳までの道のりは長い。大天井岳にテントを残して常念岳にピストンするって言ってた人は、荷が軽いせいかグリセードで下ってしまった。ちょっと重荷でバランスを崩すのが嫌だったので、短い距離だったけどアイゼンを装着して硬くなった雪の上を慎重に通過する。


常念小屋に到着してから「CCレモン」を注文した。アルファー米を食べながら炭酸飲料を飲むのが癖となってしまったが、初めて常念小屋へ訪れた時も何かを買って飲んだ記憶がある。
ベンチに座って地元の方と山の話しをしてたらヘリが飛んできた。6人ぐらいの団体が降りてきたけど、何の目的だろうか?

常念岳の山頂に到着すると厳しい風雪に耐えてきた祠がある。
2年ほど前に見た時は、設置したばかりで木目も綺麗だったような気がする。


やっとプラブーツに適した歩行が出来そうだ。今まで雪が無い場所を歩き続けたのでキズだらけになってしまった。アイゼンを装着して、蝶槍の厳しい登りに耐える為に焼きソバを作って大休止する。蝶ヶ岳へ向かって歩いてる人間は、自分の他に誰もいない。


5ヶ月ぶりの蝶ヶ岳は、雪も少なく夏山みたいな賑わいが伺える。テント場では、初めて春山登山する方もいるみたいで、なかなか面白い会話が聞こえてきた。蝶ヶ岳ヒュッテでコーラとビールとテレホンカードを買って、テント場の標識の近くに幕営をする。人通りが激しい場所だったが、到着が遅かったので仕方が無い。

  いつも通りに目覚めるが、周りの住人は誰も起きようとはしない。ゴソゴソ準備を始めて日の出を待っていると、たくさんの人達が集まっていた。ちょっとビックリするが、人気の山なんだと実感する。

 

  山頂の標識付近に雷鳥の白い毛があった。蝶ヶ岳通信によると秘密のスポットがあるらしい。デジカメのメモリーを1024MBほど用意したが、もうほとんど残っていない。ここで停滞しても良かったけど、休日をフル稼働で遊んでいたので休養するために下山する事にした。

 

  三股への下りは、なかなか厳しい感じである。階段になったトレースは、ちょっと膝の負担が強いので、少しだけ離れてた場所でキックステップしながら、どんどん下ることにした。とっても快適である。

 

  昨年の11月に撤退した場所までやってきた。落石と滑落に注意しながらトラバースする。ここを通過すると「豆うち平」も近い。豆うち平から先は、ほとんど雪も無くなり夏道と同じになった。  

  蝶ヶ岳ヒュッテの衛星電話を利用して、タクシーを11時30分に迎えに来るように予約したので1時間ほどブラブラする。車を回収する為に、ちょくちょくタクシーを利用するが、タクシーの運転手に山が好きな人が多いようだ。  

第1日目
中房温泉(5:16)〜合戦小屋(8:54)〜燕山荘(10:39)〜大下り(11:51)〜大天井岳(15:12)〜大天荘(15:31)

第2日目
大天荘(5:57)〜常念小屋(8:09)〜常念岳(10:18)〜蝶槍(14:30)〜蝶ヶ岳ヒュッテ(15:25)

第3日目
蝶ヶ岳ヒュッテ(7:12)〜まめうち平(8:28)〜三股駐車場(9:57)

2003年5月2〜4日


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。